1.生命保険金を受け取るまでの手続きの流れ
1-1.まずは契約の確認
生命保険金は他の手続き同様、請求しなければ受け取ることは出来ませんので加入している保険会社の確認から行います。保険証券の捜索、見つかれば保証内容や受取人を確認できます。保険証券が見つからない場合、保険会社からの定期的な案内から保険会社に問い合わせして確認することも可能です。
1-2.保険会社に電話等で連絡
保険会社に連絡して契約者が亡くなったことを伝えます。保険証券があれば内容が分かりますが、ない場合は確認しましょう。合わせて必要書類と流れを確認しておくと何度も連絡せずに手続きを進めることができます。
1-3.必要書類の準備
一般的な必要書類は以下の通りとなります。 〇死亡保険請求書(保険会社から送られてきます) 〇被保険者の住民票 〇死亡診断書又は死体検案書 〇受取人の戸籍謄本 〇受取人の印鑑証明書 〇保険証券 など 必要書類は会社ごとに違うこともありますので、予め保険会社に確認してください。
1-4.必要書類の提出
1-5.保険会社による審査
1-6.受取人氏名口座へ生命保険金の振込
2.生命保険の注意しなければならないこと
2-1.亡くなった日から3年以内に請求
生命保険金の請求手続きは、死亡した日から3年以内(かんぽ生命は5年以内)に行わないと生命保険金を受け取る権利がなくなってしまいます。
2-2.受取人が既に亡くなっている
配偶者が亡くなった際に受取人を変更しないまま、本人が亡くなってしまうと、原則として受取人の相続人が保険金を受け取ることになりますので、受取人が亡くなった際は事前に変更することをお勧めします。
3.生命保険の有効活用
前述したとおり生命保険は、相続財産ではなく、受取人固有の財産となります。生命保険の有効活用として
①生命保険金を代償分割の際の代償金例えば被相続人が母(父は既に亡くなっている)で相続人が長男と長女で、相続財産が2000万円の不動産しかない場合、長男が2000万円の不動産を取得する代わりに長女に法定相続分(2分の1)相当の1000万円金銭を渡す際の原資として生命保険金の受取人を長男にします。代償分割についてはこちらを参照ください。
②相続税の節税生命保険金は相続税の対象外である一方で、現金は相続税の対象となりますので現金を生命保険金に替えておくことで節税となります。生命保険金には「500万円×法定相続人の数」 の非課税枠がありますので、非課税枠を超える場合はご注意ください。
③相続放棄と保険金特定の相続人を受取人とする場合、生命保険金を受け取る権利はその相続人の固有の権利であり、生命保険金が相続財産の対象外であるため、相続放棄した受取人である相続人は生命保険金を受け取ることが出来ます。 *相続放棄した場合の法律効果は、初めから相続人でなくなります。相続放棄についてはこちらをご参照ください。
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