遺産相続手続きの中で、相続人の調査・確定をした後で、次に行うのが相続財産の調査・確定です。
目次
1.相続財産の調査・確定
1-1.不動産の調査・確定
1-2.預貯金・借入金の調査・確定
1-3.有価証券の調査・確定
1-4.マイナス財産の確定
2.相続財産にならないもの
3.相続財産の調査・確定に時間を要する事例
4.相続財産の調査・確定を自分で行うのは大変!?
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相続財産の調査・確定
相続財産を計算するためには、土地や家屋などの不動産、現預金、株式などの有価証券、貸付金、(被相続人が個人事業主なら)事業にかかわる売掛金、などといった「プラスの財産」から、住宅ローンやその他の借入金、固定資産税の未払い分などといった債務、すなわち、「マイナスの財産」まで、漏れのないように調べなければなりません。これらの財産調査を行なった結果を「相続財産目録」として作成し、次のステップである遺産分割協議を行なうにあたっての重要な基本資料として活用することになります。
プラスの財産
〇現金や預貯金などの現物財産
〇家財道具、自動車、貴金属、骨董品などの動産
〇土地・建物の不動産
〇賃借権、抵当権などの不動産上の権利
〇株式、国債、社債などの有価証券
〇特許権、商標権、著作権など
〇売掛金、貸付金、損害賠償請求権、慰謝料請求権など
マイナスの財産
〇借金、ローンなどの負債
〇未納の税金など
〇営業上の未払い金などの買掛金
〇不法行為や債務不履行などの損害賠償債務
不動産の調査・確定
相続財産の中でも一般的に大きな比重を占める不動産(土地・建物など)についてみていきます。 不動産を確定(把握)するために、効率のよい方法は、次のとおりです。
(1)市役所(東京都23区内では都税事務所)で故人の名寄帳を取り、それをもとに、被相続人名義の固定資産評価証明書を交付してもらう。(相続が開始した日の属する年度のもの。)取得する際は、被相続人が亡くなっていることが分かる除籍謄本、相続人であることが分かる戸籍謄本、身分証明書が必要。第三者に委託する場合は委任状が必要です。
(2)法務局に行って、1.で取得した証明書に記載されている不動産について登記簿謄本(全部事項証明書)を請求する。
(3)同じく法務局で、固定資産評価証明書に記載されている所在地の土地の公図を請求する。
(4)できれば、住宅地図などで、公図上の土地が住宅地図上でどこに位置するのか、 マーカーなどでわかるようにしておく。
(5)その土地や家屋が他人に貸しているものである場合には、その賃貸契約書(相 続開始日を含む期間についてのもの)を探し出しておく。
不動産の評価額については、実勢価格評価、路線価評価、固定資産評価等、ありますが、まずは固定資産評価証明書に基づく価格を評価額して相続財産目録に記載します。当相談室では専門の税理士と提携していますのでご安心ください。
また、上記のうち(3)~(5)については、遺産名義変更とは直接関係がないとも言えますが、相続税の申告に際して、土地の評価を正確に行う為に不可欠なものですので、できる限りこの段階で行なっておくことをお勧めします。
預貯金・借入金の調査・確定
現金預金、借入金などは、預貯金の通帳の確認、通帳がない場合はカード・クレジットカードから確認します。確認の上、金融機関に発行してもらう残高証明書で確認します。残高証明書は、相続開始日現在の日付で請求します。
残高証明書には、預貯金のみならず、借入金の残高も載っているはずですから、被相続人に借金があったかどうかの確認は、これにより可能となります。また被相続人に関係のある文書や郵便物・メモなどを調べ、契約書やカード、督促状などがないかを確認が必要となります。最近では通帳やクレジットカードがないこともありますのでスマホやメールで確認することも必要です。
有価証券の調査・確定
金融機関からの郵便物(報告書)・預金通帳の入金記録・株主総会の案内状・配当金のお知らせから確認します。株式については、株式の確認と、保管先の証券会社に照会し、残高証明書を取得します。上場株式については、株式取引価格が公開されていますから、それに基づき株式の評価額を相続財産目録に記載します。
非上場の株式の評価計算については専門の税理士が必要となります。
マイナス財産の確定
借用書などの書類や預金通帳の取引明細で確認。また通帳を見て定期的に住宅ローンやクレジット会社の引き落としがあれば金融機関やカード会社に確認します。
相続財産にならないもの
- 1 一身専属権
- 扶養請求権、生活保護受給権、国家資格等
- 2 祭祀財産
- 祭祀財産(系譜・祭具及び墓)は相続財産ではなく、祖先の祭祀を主催すべきものが承継します。
- 3 生命保険請求権
- 受取人が被相続人以外の人になっている場合(指定)は相続財産に含まれません。
- 4 死亡退職金
- 会社の規定に退職金支給の規定がある場合、受給者の固有の権利として、相続財産に含まれません。
- 5 遺族年金
- 遺族の生活保障を目的としたもので、受給者の固有の権利とされ相続財産に含まれません。
※生命保険金、死亡退職金とも民法上は相続財産にならなくとも、相続税の課税においては相続財産とみなされます
相続財産の調査・確定に時間を要する事例
ひとり暮らしで、疎遠だった父が亡くなって相続が発生した場合、どこに何の財産があるか全く見当がつかず、場合によって遺品整理業者に依頼して家の中のものを整理してもらう必要があります。
ひとり暮らしで、疎遠だった親族が亡くなって相続が発生した場合、どこに何の財産があるか全く見当がつかず、場合によって遺品整理業者に依頼して家の中のものを整理してもらう必要があります。
当相談室では、相続財産の調査および相続財産目録に基づき遺産相続手続き代行をしております。初回のご相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。
相続財産の調査・確定を自分で行うのは大変!?
同居していたり、生前から相続財産について情報共有していれば、相続が発生した後でもどこに何があるか分からないという事はあまりないと思いますが、長らく別居していたり、そもそも交流がない方が亡くなって相続が発生すると、相続財産を一から調査する必要があり、初めて相続を迎える方にとっては大きな負担です。
また相続税がかかる場合、相続税申告のために各金融機関・証券会社では亡くなった日現在の残高証明書、普通預金については過去3年分の取引履歴を請求しなければなりません。また不動産は各自治体で発行される名寄帳や評価証明書を取得する必要があり、空いている時間を利用して手続きを行うのも大きな負担です。
こうした負担・時間的ロスを軽減する必要があれば、専門家にご相談することをお勧めします。当相談室では遺産相続手続きサポートの中で行っておりますのでお気軽にご相談ください。
相続財産の調査・確定、相続税申告に必要な書類の収集は
スタートライン相続手続き安心相談室が代行します。
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