I. 最近よく聞く「死後離婚」への不安
1. 死後離婚(姻族関係終了届)をしても相続関係は残ります!「相続放棄」と勘違いしていませんか?行政書士が詳しく解説します。
本ページでは最近メディアでもよく目にする『死後離婚』についてお伝えします。
文字だけ見ると『亡くなった後に離婚?』と不思議に思うかもしれませんが、これは正式には姻族関係終了届という手続きのことになります。実はこれ、相続と混同している方が非常に多いので、大事なポイントを整理してみました。
参考になれば幸いです。
▼本ページの内容を分かりやすく動画にしています。
2. こんなお悩みありませんか?
☑夫(妻)が亡くなった後、義理の両親や親族との付き合いに疲れてしまった。
☑「死後離婚」をしたいけれど、それをすると今の生活費(遺族年金)や相続権がなくなってしまうのでは?
☑義理の親の介護や扶養義務から解放されたい。
☑子供の相続権に影響が出ないか心配。
II. 「死後離婚(姻族関係終了届)」とは何か?
1. 制度の仕組み
- 姻族関係を断ち切る手続き:配偶者が亡くなった後、その血族(義理の両親や兄弟姉妹)との親族関係を終了させるための制度です。
- 手続きはシンプル:自分の本籍地または住所地の市区町村役場に「姻族関係終了届」を提出するだけです。
- 誰の承諾もいらない:義理の両親や子供の承諾は不要で、ご自身の判断だけでいつでも出せます。提出期限もありません。
2. 主な効果
- 親族の扶養義務がなくなる:義理の両親の介護や扶養などの法律的な義務がなくなります。
- 戸籍への記載:戸籍に「姻族関係終了」と記載されます。
III. 【重要】相続関係への影響について(一番お伝えしたいこと)
「死後離婚をすると、夫の財産を相続できなくなる」というのは大きな誤解です!
- 相続権はそのまま残る:死後離婚(姻族関係終了届)はあくまで「親族関係」を終了させるもので、相続とは全く別の話です。亡くなったご主人の財産を受け取る権利は当然ありますし、すでに相続した財産を返す必要もありません。
- 遺族年金も支給される:届け出を出したからといって、遺族年金が止まったり減額されたりすることもありません。ここは安心してください。
- 子供の相続権も変わらない:お子さんは引き続き、亡くなったお父さんの親族(義父母にとっては孫)であり続けます。将来、義理の両親や叔母さんが亡くなった際、お子さんが代襲相続などで財産を受け取る権利もそのまま残ります。
IV. メリット・デメリットと注意点
1. メリット
- 精神的なストレスからの解放:一番多いご相談はこれです。義理の親族との深い溝や対立がある場合、心理的な区切りをつけることができます。
- 自分の意思だけで完結できる:誰にも知られずに手続きを進めることも可能です(ただし、戸籍を見れば分かります)。
2. デメリットと注意点
- 一度出すと取り消せない:後から「やっぱりやめたい」と思っても撤回できないので、慎重な判断が必要です。
- 感情的な対立のリスク:もし届け出を出したことが親族に知られた場合、感情的なしこりが残り、お子さんへの相続(遺言書で孫に渡さないと書かれるなど)に影響する可能性は否定できません。
- 法要などのやりづらさ:親族関係を断ち切るわけですから、今後の法要などを一緒に行うのが難しくなるケースがあります。
V. 知っておきたい「名字(氏)」と「戸籍」の話
「死後離婚をした後、旧姓に戻したい」という方もいらっしゃいますね。
- 復氏届(ふくしとどけ):これを出せば、ご自身は結婚前の旧姓に戻ることができます。
- お子さんの名字について:お母さんが旧姓に戻っても、お子さんの戸籍と名字は亡くなったお父さんのままです。お子さんも同じ旧姓にしたい場合は、家庭裁判所の許可を得てから入籍届を出すという手続きが必要になります。
VI. まとめ:お一人で悩まずにご相談ください
「死後離婚は、法律的な効果というよりは、精神的なストレスから解放されたいという思いが強い手続きです。特にお子さんがいらっしゃる場合は、将来の相続も含めて慎重に考える必要があります。
もし『義理の親族との関係に悩んでいる』『相続放棄と何が違うのかもっと詳しく知りたい』という方は、お気軽にスタートラインまでご相談ください。私たちは、単なる手続きだけでなく、その先のライフプランを見据えたサポートを大切にしています。」