【プロ対談】行政書士×司法書士が徹底解説!
相続で重要な「相続登記」と「相続放棄」の注意点
皆様、こんにちは。行政書士法人スタートラインの横倉肇です。
今回は特別企画として、日頃から大変お世話になっている司法書士の松村先生をお招きした対談の内容をコラムとしてお届けします。
実は、私と松村先生は20年来の付き合いになります。お互いに資格を取得する前、松村先生が退職される事務所に私が新しく入社したのが出会いのきっかけでした(引き継ぎ期間はなんと3日だけだったんですよ!)。そこから猛勉強してお互いに開業し、今では頼もしいパートナーとして連携しながら相続手続きを行っています。
相続が発生した際、「窓口である行政書士が1人で全ての手続きを行うのか?」というと、実はそうではありません。争いがあれば弁護士、税金は税理士、そして不動産の名義変更(登記)や裁判所を通す手続きは司法書士、というように、専門家がそれぞれの強みを活かして連携することが不可欠なんです。
今回は、その中でも特にご質問の多い**「相続登記」と「相続放棄」**について、プロの視点から詳しく解説していきます!
▼動画で詳しく見たい方はこちらをご覧ください!
1. 相続における「司法書士」の役割とは?
司法書士は、大まかに言うと**「法務局」や「裁判所」に提出する書類を作成・申請できる専門家(独占業務)**です。
- 不動産の名義変更(相続登記)の代理申請
- 家庭裁判所に提出する「相続放棄」などの書類作成サポート
私(行政書士)が相続の「窓口」として戸籍の収集や遺産分割協議書の作成を行い、最終的な不動産登記の手続きを松村先生(司法書士)にお願いする、という役割分担でいつもスムーズな解決を行っています。
2. 放置は厳禁!「相続登記(不動産の名義変更)」の基本と注意点
お父様やご主人が亡くなり、実家や土地などの不動産を引き継いだ際、誰の名義にするかを変更する手続きが「相続登記」です。 「お金もかかるし、急いでやらなくてもいいのでは?」と後回しにする方もいらっしゃいますが、これは非常に危険です。
① 放置すると相続人が雪だるま式に増えていく
名義変更をしないまま何十年も放置していると、その間に本来の相続人が亡くなり、次の世代へと相続権が移っていきます。 最初は「お母さんと子供2人(計3人)」だけだった相続人が、何十年も放置した結果、おじいさんの孫やその配偶者、甥・姪など7人、あるいは10人以上の大人数(ほぼ他人のような関係)に膨れ上がってしまうことがよくあります。
不動産の名義変更をするには、相続人全員の署名と実印での押印が必要です。人数が増えれば、その中に「連絡がつかない人」や「感情的な対立からハンコを拒否する人」が出てくる確率が上がってしまい、いつまで経っても名義変更ができなくなってしまいます。
② 【重要】相続登記の義務化と10万円以下のペナルティ
こうした「所有者不明の土地」が増えていることが社会問題となり、ついに法律で相続登記が義務化されました。 正当な理由がないのに名義変更の手続きを放置していると、**「10万円以下の過料(ペナルティ)」**が科されることになりましたので、必ず早めに手続きを行いましょう。
③ 登記手続きでプロがチェックするポイント
松村先生によると、登記の際に特に注意しているのが**「登記簿上の住所と、亡くなった当時の住所のズレ」です。何十年も前に実家を買った当時のままで住所変更の登記をしていないと、登記簿には大昔の住所が載っています。その場合、過去の住所から最後の住所までのつながりを証明するために、役所で「住民票の除票」や「戸籍の附票」**といった書類を遡って取得しなければなりません。
④ よくある誤解:「権利書」を無くしたら登記できない?
「実家の権利書(登記済権利証)が見当たらないのですが…」というご相談をよく受けますが、安心してください。相続登記の場面においては、原則として権利書は必要ありません。 (※ただし、住所のつながりが証明できない特殊なケース等で、本人確認のために権利書を提出するケースはあります)。
ちなみに、現在は昔の厚みのある権利書ではなく、**「登記識別情報」**というアルファベットと数字のパスワードが書かれたシール付きの紙1枚に変わっています。こちらは一度紛失すると再発行が一切できないため、大切に保管してください。
⑤ 不動産が「遠方」にあっても手続き可能
「実家が北海道や熊本にあるのですが…」という場合でも大丈夫です。 現在はオンラインで全国どこの法務局へも登記申請が可能なため、わざわざ現地の司法書士を探す必要はありません。相談しやすい、お客様のお近くの専門家(スタートライン)にお任せいただくのが一番安心です。
3. 借金を引き継ぎたくない!「相続放棄」の正しい知識
亡くなった方に多額の借金やローンなどの「負債」があった場合、それらを一切引き継がないための手続きが「相続放棄」です。
① 「遺産(財産)放棄」と「相続放棄」はまったく別物!
ここを勘違いしている方が本当に多いので、特に注意が必要です。
- 遺産放棄(財産放棄):相続人同士の話し合い(遺産分割協議)で「私は財産をもらいません」と合意することです。これは親族間では有効ですが、債権者(お金を貸している人や銀行)には一切通用しません。つまり、話し合いで財産を受け取らなかったとしても、借金の返済義務は残ったままになります。
- 相続放棄:家庭裁判所に正式に申し立てを行う法律上の手続きです。認められれば「最初から相続人ではなかった」ことになるため、借金の返済義務から完全に解放されます。
② 亡くなった人の「借金」はどうやって調べる?
まずはご自宅の中で、契約書、請求書、郵便物、通帳の引き落とし履歴などを細かく調べるのが第一歩です。 それでも不安な場合は、銀行や消費者金融などの顧客情報を管理している**「3つの信用情報機関(JICC、CIC、全国銀行協会)」**へ開示請求を行うことで、ある程度の負債を調べることができます(※ただし、個人間の借金までは調べられません)。
③ 「3ヶ月以内」の期限に注意!
相続放棄の手続きは、「自分が相続人になったことを知った日」から3ヶ月以内に行う必要があります。 期限を過ぎてしまうと、原則として借金も含めてすべて引き継がなければならなくなるため、迅速な対応が必要です。
④ 相続放棄の手続きの流れ
- 家庭裁判所へ書類を提出:自分の住所地ではなく、**「亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所」**へ提出します。
- 裁判所からの「照会書」に回答:提出から約1ヶ月後、裁判所から質問票(照会書)が届きます。これに記入して返送します(※この回答はお客様ご自身で行っていただく必要があります)。
- 受理通知書と証明書の受け取り:無事に認められると「相続放棄申述受理通知書」が届き、その後に必要となる「相続放棄受理証明書」を取得します。この証明書が、銀行や他の相続手続きに必要になります。
※司法書士は、これらの戸籍集めや書類作成、裁判所への提出までをサポートしてくれます(1人あたり約4万〜6万円が目安です)。
⑤ 【要注意】相続放棄すると、次の順位の親族へ「借金」が移る!
相続放棄をすると、「最初から相続人ではなかった」ことになるため、相続権が次の順位の人へ移動します。例えば、亡くなったお父様に借金があり、奥様とお子さんが相続放棄をしたとします。すると、相続権はお父様のご両親(第2順位)へ、ご両親がすでに他界されていればお父様の兄弟姉妹(第3順位)へと移っていきます。
何も知らせずに放棄してしまうと、ある日突然、叔父さんや叔母さんの元に借金の督促が届いて大きなトラブルに発展してしまいます。 そのため、相続放棄をする際は、親戚一同で計画的に順を追って進めていく必要があります。
4. 行政書士法人スタートラインならではの強み
今回の対談でもお話ししたように、不動産の相続は、単に「書類を作って登記して終わり」ではありません。
- 「相続した実家が空き家になってしまうが、残すべきか売るべきか」
- 「売却して現金を分け合いたい(換価分割)が、どう進めれば揉めないか」 といった、**「手続きのその先にある、不動産の実務」**に悩む方が本当に多いのです。
私、横倉肇は、行政書士であると同時に、不動産業界出身で「宅地建物取引士」の資格も持っています。そのため、最初の分割協議の段階から、「残すべきか、売るべきか、どう分けるのが将来の税金やトラブルを防げるか」という点について、中立な立場から徹底的にアドバイスをさせていただきます。
名義変更の手続き(登記)は信頼できるパートナーである松村先生へスムーズに引き継ぎ、もし売却が必要であればそのサポートまで、すべてのステップを一貫してコーディネートできるのが、スタートラインの最大の強みです。
最後に:お一人で悩まずに、まずはご相談ください
「銀行に相談したけれど、手続きが複雑すぎて対応できないと断られてしまった」 「不動産会社にいきなり相談しに行くのは、強引に売却を勧められそうで不安」
そのような段階でまったく構いません。不動産が絡む相続は、最初のボタンの掛け違いが大きなトラブルに発展してしまいます。
スタートラインでは、初回相談は無料でじっくりお話をお伺いしております。 松村先生をはじめとする信頼できる専門家ネットワークとともに、あなたの相続を「ひとつの窓口」で優しくサポートいたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。
💬 もし「うちの実家の相続登記は大丈夫かな?」と少しでも不安に思われたら、まずは登記簿の確認(現状把握)から丁寧にお手伝いいたします。お気軽にメッセージをください