【保存版】「遺産分割協議書」よくある19の質問に相続専門の行政書士が本音で答えます!
皆様、こんにちは。行政書士法人スタートラインの横倉肇です。
相続手続きの中で、必ずと言っていいほど耳にするのが**「遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)」**という言葉です。「名前は聞いたことがあるけれど、そもそも何のために必要なの?」「自分で作れるの?」など、多くの疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際によくいただく19個の質問を厳選し、相続専門の行政書士視点からわかりやすく解説します!
分かりやすくイメージしていただくために、以下のような一般的なご家族を**「モデルケース」**としてお話ししていきますね。
- 亡くなった方(被相続人):お父様
- 相続人:お母様(妻)、長男、長女の3名
- 遺産:お父様名義の自宅不動産、銀行預金(2口座)、株(証券会社1社)
▼動画で詳しく見たい方はこちらをご覧ください!
目次
第1グループ:そもそも遺産分割協議書って何?なぜ必要?
Q1. そもそも「遺産分割協議書」って何ですか?
A. 今回のモデルケースで言うと、亡くなったお父様名義の不動産や預金、株について、「誰に・どのように分けるか」をしっかりと書面にして示した契約書のようなものです。
Q2. なぜ遺産分割協議書を作る必要があるのですか?
A. 主に以下の3つの理由があります。
- 手続きで提出を求められるため:自宅不動産の名義変更(登記)を行う法務局や、銀行、証券会社などで「必要な書類」として提出を要求されます。特に、自宅不動産の名義変更では、これがないと手続きができません。
- 将来のトラブルを防ぐため:遺産の分け方は口約束でも法律上は成立しますが、後から「言った・言わない」と曖昧になり、揉めてしまうのを防ぐために書面化します。
- 相続手続きを円滑に進めるためです。
Q3. 作成しなければいけない期限はありますか?
A. 法律上、「いつまでに作らなければならない」という明確な期限はありません。 ただし、相続手続き全体の中で期限が決まっているものがあります。例えば、**相続税の申告は「10ヶ月以内」**ですが、この申告の際に遺産分割協議書が必要になります。また、相続登記(不動産の名義変更)の義務化が始まり、亡くなってから3年以内という猶予はありますが、その期間内に誰に相続させるかを決めて手続きを行う必要があります。
Q4. 不要なケース(作らなくていい場合)はありますか?
A. 主に2つのケースでは不要になります。
- 相続人が1人だけのケース
- 法的に有効な遺言書があり、その中で「すべての財産を誰に渡すか」が明確に示されているケース(※ただし、遺言書に「自宅は長男に」と書いてあっても、預金や株の分け方が書かれていない場合は、書かれていない財産(預金や株)について遺産分割協議書が必要になります)。
第2グループ:作成の流れと書く内容・ルール
Q5. 実際に作成するときの全体の流れを教えてください。
A. 以下の5つのステップで進みます。
- 遺言書の有無を確認する
- 相続人調査:亡くなったお父様の「出生から死亡まで」の戸籍をすべて取得し、誰が法定相続人かを確定させる
- 財産調査:銀行や証券会社から残高証明書を取り、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して財産を確定させる
- 遺産分割協議:相続人全員で、財産をどう分けるか話し合う
- 書面化:まとまった内容を「遺産分割協議書」に落とし込む
Q6. 協議書には具体的に何を記載するのですか?
A. 主に、「誰がどの財産を取得するか」という具体的な内容、作成日付、そして相続人全員の署名と実印(じついん)の押印が必要です。
Q7. 実印がない(認印やサインだけ)と手続きできませんか?
A. 残念ながら、実印以外のハンコでは手続きできません。 もし実印をお持ちでない場合は、役所で印鑑登録をしてもらう必要があります。もし本人が病院や施設に入っていて役所に行けない場合は、代理人が行うこともできますが、その場合は役所へ最低2回は行く必要があり、時間と手間がかかります。
Q8. 遺産分割協議書は何通作成すればいいですか?税理士用などは必要?
A. 何通作らなければいけないという決まりはありません。 代表相続人が1通だけ持って手続きを進める形でもいいですし、相続人全員(今回のケースなら3人なので3通)がそれぞれ1通ずつ手元に保管するために、人数分作成することもあります。何通作成したかを協議書内に明記しておくのが良いでしょう。
Q9. 手書きで書いても法的に大丈夫ですか?
A. 法律上、すべて手書きで作成しても問題はありません。 ただ、すべて手書きするのは非常に大変ですし、書き損じ(記載ミス)のリスクもあります。お勧めとしては、財産の詳細などの本文はある程度パソコンで作成しておき、最後の署名(名前)の部分だけを各自に手書き(自署)してもらうという形がスムーズで、トラブルも少ないです。(※完成後に手書きで勝手に追記(加筆)したりすると、後から揉める原因になりますので避けてください)。
第3グループ:相続人同士の関係やトラブルに関する質問
Q10. 相続人が10人など大人数の場合、全員の署名・押印が必要ですか?
A. はい、何人いても全員分が必要です。 たとえ「分ける預金口座の金額がほんのわずか」であったとしても、相続人全員の署名・捺印が揃っていなければ、金融機関は解約に応じてくれません。
Q11. 遠方に相続人が多い場合、1枚の紙を郵送で回すのが大変です。
A. その場合は、**「遺産分割協議証明書(いさんぶんかつきょうぎしょうめいしょ)」を活用しましょう。 書いてある内容は協議書と全く同じですが、これを「1人1枚」**という形で人数分作成し、各自に郵送して署名・実印を押してもらい、回収します。これなら1枚の紙をバケツリレーのように郵送し合う必要がなく、時間的なコストを大幅に削減できます。
Q12. 財産を「全く受け取らない(放棄する)」親族も署名・押印は必要?
A. はい、必要になります。 遺産分割協議書の中で「私は一切の財産を取得しません(いわゆる財産放棄)」という合意に署名・押印をしてもらう形になります。 ただし、亡くなったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で正式な「相続放棄(そうぞくほうき)」の手続きを行った人については、署名・押印の必要はありません。相続放棄をした人は「最初から相続人ではなかった」扱いになるためです。(※「財産の受け取りを辞退する(財産放棄)」と、裁判所で行う「相続放棄」は法律上まったく別物ですので、ここだけは注意して覚えておいてくださいね)。
Q13. 法定相続分(法律で決められた割合)通りに分けなければいけませんか?
A. その必要はまったくありません。相続人全員が話し合って合意できれば、例えば「お母様がすべての財産を相続する」といった分け方でも自由に決めることができます。法定相続分というのは、話し合いがどうしてもまとまらず、揉めてしまった時の法律上の「目安(基準)」に過ぎません。(※今回のケースの法定相続分は、お母様が1/2、長男・長女がそれぞれ1/4となります)。
Q14. 相続人の中に疎遠で連絡が取れない人がいる場合はどうしますか?
A. まずは、その方の戸籍から**「戸籍の附票(こせきのふひょう)」を取得します。 これによって住民票上の現在の住所を確認することができますので、そこへ丁寧なお手紙をお送りして連絡を試みます。 それでも全く連絡がつかない、あるいは本当にどこにいるか分からない(行方不明)という場合は、家庭裁判所に申し立てを行い、行方不明の方の代わりに財産を管理・協議する「不在者財産管理人(ふざいしゃざいさんかんりにん)」**(多くの場合は弁護士など)を立てて手続きを進めることになります。
Q15. 相続人の一人が「署名・押印は絶対に嫌だ!」と拒否している場合は?
A. 遺産分割協議は全員の合意が基本ですので、一人でも拒否する人がいると手続きがストップしてしまいます。 どうしても話し合いで合意が得られない場合は、家庭裁判所に**「遺産分割調停(いさんぶんかつちょうてい)」**の申し立てをして解決を図ることになります。(※私が過去に関わった事例でも、感情的な対立が原因で協議を拒否され、最終的に調停で解決するまでに3年近くかかったケースがあります)。
第4グループ:認知症や書き間違い、後から財産が見つかったときのトラブル
Q16. 自分で作った協議書に「書き間違い(記載ミス)」があったらどうなりますか?
A. 軽微なミスの場合は、あらかじめ相続人全員が書類の余白などに**「捨て印(すていん)」**を押しておけば、そこから一部修正をすることができます。 しかし、遺産の具体的な内容や分け方そのものが変わってしまうような重大な記載ミスの場合は、トラブル防止のためにも新しく作り直した方が安全です。
Q17. 署名・押印が終わった後から「新しい財産」が見つかったら?
A. 2つの解決策があります。
- あらかじめ協議書の中に「将来、他に財産が見つかった場合は〇〇が取得する(または再度全員で協議する)」といった条項を書いておけば、その通りに処理できます。
- そうした記載がない場合や、見つかった財産が非常に重要で改めて話し合いたい場合は、その新しく見つかった財産のためだけに、もう一度「遺産分割協議書」を新規に作成することになります。
Q18. 相続人の中に「認知症」などで判断能力が衰えている人がいる場合は?
A. その場合は、家庭裁判所に申し立てを行って**「成年後見人(せいねんこうけんにん)」を選任してもらい、その選ばれた後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加します。 ただし、注意点があります。もし「長男が、認知症のお母様の成年後見人」になっているような場合、長男とお母様はどちらも相続人ですので、お互いの取り分をめぐって「利益相反(りえきそうはん)」という状態になります。その場合は、お母様のためにさらに別の「特別代理人(とくべつだいりにん)」**を家庭裁判所で立ててもらう手続きが必要になります。
第5グループ:専門家に頼むべき?
Q19. ネットや本を参考に、専門家に頼まず自分で作ることはできますか?
A. テンプレートなどがありますので、ご自身で作ること自体は可能です。 ただ、記載の仕方が不適切だったり少しでもミスがあると、銀行や法務局で手続きをやり直すことになります。また、分け方の書き方一つで、後々の相続税の金額(非課税特例が使えるかどうかなど)が大きく変わってしまうといった、目に見えないリスクもあります。 やはり、大切なご家族の財産を守るためにも、一度専門家にご相談されることを強くお勧めします。
まとめ:遺産分割協議書は「家族の未来へのバトン」です
遺産分割協議書は、単に手続きを通すための書類ではありません。お父様が残してくれた大切な財産を、ご家族みんなが納得して、次の世代へ繋いでいくための大切な「約束の書面」です。
特に関係が複雑なケースや、不動産が絡むケース、遠方に相続人がいる場合などは、個人で進めようとすると大きな負担がかかってしまいます。
行政書士法人スタートラインでは、こうした面倒な戸籍収集から、遺産分割協議書の作成、さらには提携する司法書士・税理士と連携したワンストップサポート(名義変更や税務申告)まで、ひとつの窓口ですべて丸投げできる代行サービスを行っています。
「何から手をつけていいかわからない」という段階でもまったく構いません。初回相談は無料(出張・土日・オンラインも可能)ですので、まずはお気軽にお気持ちや状況を整理しにいらしてくださいね。
最終更新:2026年8月10日

執筆・運営者:
行政書士法人スタートライン 代表 横倉 肇(よこくら はじめ)
日本行政書士会連合会 第13090924号
宅地建物取引士 登録番号(神奈川)第078270号
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