相続ブログ

事実婚(内縁関係)のパートナーは法律上の「配偶者」ではないため、相続・老後・万一の時の手続きで不利益を受けやすい立場にあります。 本ページでは、行政書士が提供できる事実婚(内縁関係)の方向け相続対策を、遺言公正証書・準婚姻契約公正証書・任意後見契約書・死後事務委任契約などの必要書類とともにわかりやすく解説します。

事実婚の相続はなぜ対策が必要なのか

事実婚(内縁関係)は、法律婚と異なり、相続・税金・死亡後の手続きのすべてで法的保護が弱いという特徴があります。そのため、対策をしないままパートナーが亡くなると、・財産を一切受け取れない・自宅に住み続けられない・病院で親族として立ち会うことができない・葬儀や死後の手続きができないといった深刻な現実が起こります。

事実婚のパートナーは法定相続人ではない

事実婚のパートナーは、民法上の法定相続人に含まれておりません。どれだけ長く生活を共にしていても、婚姻届を出していない限り、法律上は「法定相続人以外の方」と扱われます。そのため、パートナーが亡くなると:

  • 預貯金などの金融資産全て
  • 自宅(パートナー名義)
  • 家財
  • 事業資産

これらはすべて、亡くなったパートナーの親・子・兄弟姉妹が相続することになります。特に多いトラブルが、「自宅がパートナー名義で、相続人から退去を求められる」ケースです。事実婚では、遺言がなければ住まいすら守れません。

相続税の配偶者控除が使えない

法律婚の配偶者には、相続税で1億6,000万円まで非課税となる「配偶者控除」があります。しかし、事実婚のパートナーには一切適用されません

そのため、遺言で財産を受け取れるようにしても、

  • 相続税が高額になる(法定相続人に入ることができないことで相続税の基礎控除が低くなる可能性がある)
  • 法定相続人ではないため相続税が2割加算される

という事態が発生します。つまり、法律婚と比べて圧倒的に不利な税負担を強いられるのが事実婚の現実です。

死亡後の手続き権限がない

事実婚のパートナーは、死亡後の手続きに関しても法的権限がありません

よく起こる問題として:

  • 病院での説明を受けられない
  • 葬儀の決定権がない
  • 親族が手続きを主導し、パートナーの意思が通らない
  • 賃貸契約・公共料金・遺品整理などの手続きが進められない

など、生活基盤が大きく変わる可能性があります。「最も近い存在なのに、法律上は他人」これが事実婚の最大のリスクです。

事実婚(内縁関係)の相続対策は「4つの書類」で完成する

事実婚(内縁関係)の方が安心して暮らすためには、以下の書類が必須です。

  • 公正証書遺言(最重要)
  • 準婚姻契約公正証書(パートナーシップ契約)
  • 任意後見契約
  • 死後事務委任契約

これらを組み合わせることで、
法律婚に近いレベルの安心を実現できます。

財産のことは、公正証書遺言|事実婚(内縁関係)の相続対策で最重要

事実婚(内縁関係)の相続対策で、もっとも重要で、絶対に欠かせない書類が「公正証書遺言」です。 なぜなら、事実婚(内縁関係)のパートナーは法律上の相続人ではないため、遺言がなければ何も相続できないからです。

遺言がないとどうなるのか

事実婚(内縁関係)では、婚姻届を出していないため、どれだけ長く一緒に暮らしていても、 法律上は「法定相続人以外の者」として扱われ、

  • パートナーは相続権ゼロ
  • 財産はすべて故人の親・子・兄弟姉妹へ
  • 自宅がパートナー名義でなければ退去を求められる可能性
  • 預貯金も引き出せず、生活が不安定に

という深刻な事態が現実に起こります。

特に、「自宅を失うリスク」 は事実婚カップルに最も多いトラブルです。
公正証書遺言は、公証役場で作成するもっとも信頼性の高い遺言書です。事実婚(内縁関係)のパートナーを守るために、公正証書遺言が最重要である理由は次のとおりです。

  • 法定相続人でなくても財産を遺せる唯一の方法
  • 自宅や預貯金などを確実にパートナーへ指定できる
  • 家庭裁判所の検認が不要で、すぐに手続きできる
  • 形式不備による無効リスクがほぼゼロ
  • 親族からの争いを防ぎやすい

ここでは、実際にスタートラインで取り扱った遺言書がなくてトラブルになったケース、遺言書があることでトラブルにならなかったケースをご案内します。

ケース①遺言書がなくてトラブルになった事例

相談者:Aさん(80代女性)は、内縁関係のパートナーBさんと40年も一緒に暮らしていました。ところがBさんが突然倒れて、亡くなられました。BさんはAさんを思い、自筆の遺言書を残していたのですが、行政書士が確認したところ、不備があり、残念ながら無効に。結局、Bさんの財産は、法定相続人である甥姪が相続することに。

Bさんは子供がおらず、親や兄弟も亡くなっており、相続人は兄弟姉妹の子である甥姪に。残念ながら、相続人の甥姪とAさんは交流がなく、行政書士が所在を確認して、連絡を取ることに。

ケース①遺言書がなくてトラブルになった事例の相続関係図

甥姪も遠方に住んで、Bさんに関心がなく、Aさんともかかわりを持ちたくない意向で、全て換金して分けることに。住んでいた自宅はBさん名義だったので、売却する関係で引っ越しすることに。Bさんの財産は一切手を付けることができず、葬儀埋葬費用はAさんが全て負担することに。

生前、全ての財産をBさんはAさんに渡す旨の公正証書遺言を作成していれば、公正証書遺言の通り、Bさんの財産は全てAさんが取得することができ、自宅もAさん名義にして住み続けることができたのでした。(甥姪に遺留分を請求する権利がないからです。)

ケース②遺言書があることでトラブルにならなかった事例

相談者:Cさん(70代男性)は、子供達のことを考えて、最近出会った内縁関係のパートナーDさんと事実婚(内縁関係)を選択することを考えていました。気がかりだったのは、Dさんは60代で、自分が先に亡くなる可能性が高く、自分が亡くなってしまうと、相続人が自分の子供であるEとFとなってしまい、Dさんが家を出ていくことになってしまうことを懸念し、公正証書遺言を作成する事にし、行政書士に依頼しました。

ケース②遺言書があることでトラブルにならなかった事例の相続関係図

公正証書遺言作成にあたり、それぞれ家を出て独立している長女Eと長男Fの意向を確認して、自宅についてはDさんに、その他の財産は長女Eと長男Fで折半する公正証書遺言を作成。さらにDさんにも公正証書遺言を作成してもらい、将来Dさんが亡くなった際には自宅を長女Eと長男Fへ承継する内容にしました。

生前、相続に係る子供達の意向を踏まえて、公正証書遺言を作成したことで、相続が発生してもトラブルにならない形で作成することができました。内容を共有にしておかないと、トラブルになる可能性が高いからです。

●サービス費用

スタートラインでは公正証書遺言の作成は、パートナーの1人若しくは両方のどちらでも対応しております。

公正証書遺言作成サポート

 130,000円(税込143,000円)*証人代2名込
お二人で作成される場合、
 195,000円(税込214,500円)*証人代含む *2人目は50%OFF

生活のルール作り、準婚姻契約公正証書(パートナーシップ契約)

準婚姻契約(パートナーシップ契約)とは、事実婚(内縁関係)で生活する二人が、夫婦としてのルールや財産・生活費・医療・介護・別れた場合の取り決めを文書化した契約です。 公証役場で作成する「準婚姻契約公正証書」は、高い証明力を持つ公文書として扱われ、事実婚(内縁関係)の方の権利保護に大きく役立ちます。
事実婚は法律婚と異なり、

  • 相続権がない
  • 医療同意が認められにくい
  • 生活費や財産の扱いが曖昧になりやすい

といった不利益が生じやすいため、契約書でルールを明確にしておくことが重要です。

準婚姻契約公正証書では、次のような項目を定めることができます。

●生活費(婚姻費用)の分担

事実婚でも、共同生活に必要な費用をどのように負担するかは重要です。

  • 家賃
  • 光熱費
  • 食費
  • 共通口座の有無

などを明確にすることで、後のトラブルを防げます。(生活費の分担は契約書の一般的な記載事項とされている)

●財産の扱い(特有財産・共有財産)

事実婚(内縁)期間中に築いた財産を

  • 共有とするのか
  • 各自の特有財産とするのか

を契約で決められます。 事実婚(内縁関係)では、財産の扱いが曖昧になりやすいため、契約で明確化することが推奨されています。 (財産の帰属や共有の扱いは契約書で定めるべき重要項目とされている )

医療・介護の同意

法律婚と違い、事実婚では医療行為の同意権が認められにくいケースがあります。
契約書に「医療・介護に関する委任」を記載することで、親族として立ち会うことができ、病院での対応がスムーズになる可能性があります。

●不貞行為・別れた場合の取り決め
  • 不貞行為、DV、モラハラ行為があった場合の慰謝料
  • 事実婚解消のタイミング
  • 財産分与の方法
●法律婚への移行の取り決め

事実婚(内縁関係)を選択した理由として、夫婦別姓制度の実現があります。現状ではどちらか一方の苗字を名乗るしかなく、苗字を変更することを躊躇する方も多く、その結果、事実婚(内縁関係)を選択しており、夫婦別姓制度が実現した際は法律婚を検討することも盛り込むことが可能です。

なども契約で定めることができます。

ここでは、実際にスタートラインで取り扱った事例をご案内します。

相談者Aさん(50代男性)は、会社の福利厚生を利用するため、会社から準婚姻契約公正証書と任意後見契約公正証書の提出が求められため、スタートラインに相談されました。

お二人はなるべく必要最低限のことを記載したい意向でしたので、最低限記載すべきものと、医療・介護のこと、財産分与などを盛り込んだ準婚姻契約公正証書、任意後見契約公正証書、こちらからの提案で遺言公正証書を作成しました。完成後、会社に提出して、無事福利厚生の適用が認められました。

●サービス費用

準婚姻契約公正証書作成サポート

100,000円(税込110,000円)

将来の認知症・介護に備えるための任意後見契約

事実婚(内縁関係)のパートナーは自動的に後見人になれない

事実婚(内縁関係)のパートナーは、法律上の「配偶者」ではありません。そのため、認知症などで判断能力が低下した場合でも、自動的に法定後見人になることはできません。これは、成年後見制度の申立てができるのは「配偶者・四親等内の親族」などに限られているためです。

また、法定後見制度では、家庭裁判所が後見人を選任するため、希望するパートナーが選ばれない可能性が高いとされています。

つまり、事実婚(内縁関係)の場合、

  • 認知症になったときにパートナーが財産管理をできない
  • 介護施設の契約や医療手続きがスムーズに進まない
  • 見知らぬ専門職が後見人に選ばれる可能性がある

といったリスクが現実的に存在します。

任意後見契約とは、判断能力があるうちに、将来の財産管理や介護・医療手続きを任せる相手(任意後見人)を自分で選んでおく契約です。契約は必ず公正証書で作成する必要があります。

任意後見契約でできること

任意後見人が将来行う主なサポートは次のとおりです。

  • 財産管理(預貯金管理、不動産管理、公共料金の支払いなど)
  • 介護・医療に関する契約の代理(介護施設入居契約、入院手続き、医療契約など)
  • 生活面のサポート(生活費の支払い、必要物品の購入など)
任意後見契約が発効するタイミング

任意後見契約は、

  1. 本人の判断能力が低下し、
  2. 家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任したとき

に初めて効力が発生します。

● 財産管理委任契約との併用

判断能力が低下する前の期間をカバーするため、 任意後見契約と財産管理委任契約を同時に結ぶ「移行型」が一般的です。これにより、

  • 判断能力がある間 → 財産管理委任契約
  • 判断能力が低下した後 → 任意後見契約

と切れ目なくサポートを受けられます。

事実婚(内縁関係)にとって任意後見契約は「将来の安心」を確保する必須の仕組として、任意後見契約(+財産管理委任契約)を公正証書で整えておくことが、将来の安心を確保する最も確実な方法です。

●サービス費用

スタートラインでは、パートナーの1人若しくは両方のどちらでも対応しております。

①任意後見契約公正証書作成サポート 75,000円(税込82,500円)
*お二人で作成する場合は、112,500円(税込123,750円)*二人目、50%OFF

②財産管理契約+任意後見契約公正証書作成サポート 150,000円(税込165,000円)
*お二人で作成する場合は、225,000円(税込247,500円)*二人目、50%OFF

死亡後の手続きをパートナーに任せる死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、本人が亡くなった後に必要となる各種手続きを、信頼できる相手(受任者)に委任する契約です。 契約は生前に締結し、公正証書で作成します。

死亡後に必要となる主な手続きは次のとおりです。

  • 葬儀、火葬、納骨の手配
  • 病院への支払い・退院手続き
  • 家賃・公共料金・携帯電話などの解約
  • 遺品整理の手配
  • 役所への各種届出(死亡届の補助など)
  • 行政手続きの代行(国保・年金の手続きなど)

これらは法律上「相続人」や「親族」が行うことを前提にしているため、 事実婚(内縁関係)のパートナーは、何も契約がなければ手続きを進められないケースが多いのが現実です。死後事務委任契約を結んでおくことで、 パートナーが正式な権限を持って手続きを行えるようになります

事実婚(内縁関係)は、法律婚と異なり「親族」には該当しません。 そのため、死亡後の手続きで次のような問題が起こりやすくなります。

●葬儀の決定権がない

病院や葬儀社は、原則として

  • 法定相続人
  • 親族

を優先して対応します。 パートナーがいても、親族が反対すれば希望どおりの葬儀ができないこともあります。

●納骨・遺骨の扱いでトラブルになりやすい

遺骨の引き取りや納骨先の決定も、法律上は親族が優先されます。 本人やパートナーが望む形で供養できないケースも少なくありません。

●解約手続きが進められない

携帯電話・賃貸契約・公共料金などは、 契約者本人または法定相続人でなければ解約できないことが多く、 事実婚パートナーは手続きが止まってしまうことがあります。

●サービス費用

スタートラインでは、パートナーの1人若しくは両方のどちらでも対応しております。

死後事務委任契約作成サポート 100,000円(税込110,000円)

ここまで事実婚(内縁関係)の相続対策について、個別具体的に説明してきましたが、事実婚(内縁関係)の相続対策は、法律婚と異なり「前提条件」が大きく違います。 そのため、相続・結婚専門の行政書士はまず丁寧なヒアリングを行い、お困りの皆様に事実婚(内縁関係)の相続対策サポート を活用して、抱えている不安を解消して頂ければと思います。詳しくはこちらをご覧ください

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